アカツキの記憶 1

「それじゃ三人そろったことだし、行くわよ」
「おぉ…」

 俺たちは何回もここへ入ったことがある。
 それは依頼で魔獣退治のためだったり、この森にしかない特殊な薬草を取りに行ったり…。
 王都『ヒリン』へ行くにもこの森を通るしかない。
 正直、ここに入るたび生きた心地がしない。
 今息を吸って生きているだけでも幸せなことだって思えたりするんだ。

「ユウ、まさかビビってるのか?」

 セイラはにやにやしながら言うが、その顔は引きつってる。

「お前もビビってるじゃん…」
「と、とにかく早く行きましょう!いくらギルドに入る子って言っても戦いなれはしていないハズよ!」

 サクラも声が震えている。
 みんな怖いのは一緒なんだ。
 なんて言ったってここを通る者は何回も死ぬような経験をしてきたから。
 王都への道は比較的に魔獣は弱いものが多いが、『魔女の森』の最奥、『イザベルの屋敷』にはその番人…もっとも敵に回してはいけない最悪最恐の魔獣がいるとうわさされている。
 そして、最奥に行ったものは決して帰ってこれない。
 なぜなら、そのエリアに入った時点でもう死の世界へ入ってしまったのと同じだから。