アカツキの記憶 1

 母さんの命令で外へ出たはいい。
 出たはいいんだが…。

「俺、新人の特徴聞いてない!」

 俺のこの叫びは空にむなしく響くだけだった。

「お前、何一人で大きな声出してんだ?きもちわるっ…」
「お前は、相変わらず一言多いな、セイ…」

 セイラと言いかけた後、セイラはギロリと俺をにらむ。
 だからそのあと、慌ててクロエと言い直した。
 まあ、どっちも女っぽい名前だと思うんだけど。

「まあ、だいだいわかってるんだけどな。ユウ、新人のことなんも聞いてなかったんだよな?」
「ああ」

 セイラ、まさか教えてくれるのか?
 いや、そんなことがあったら槍でも降ってくるんじゃないか?
 そんなことを思いながら俺はチラッと上を見る。
 
「なんか失礼なこと考えてなかったか?」
「べ、別に」

 俺はちょっと声をうわずかせる。

「教えようと思ったけど、なんかムカついたからやめた。じゃあな」

 機嫌を悪くしたセイラは後ろを向いた。

「うわああああ!悪い、悪かった!頼むから教えてくれ!」

 ここでこいつを見失ったら、こんどいつギルドメンバーに会えるかわからない。
 俺たちのいるこの町、『ショウシュンタウン』は結構広い。
 俺たちのギルド『月花のウサギ』はほかのギルドに比べると若干人数は少ない。
 だから、町の中で見つけるのは一苦労だ。