「おはようございます!」

 そして俺はホールへ着いた。

「ユウ、遅かったじゃないか」
「ごめん、父さん」

 ははっと俺は愛想笑いをする。
 この人はラビ・グリーンハルジュさん。
 ギルド『月花のウサギ』の副長。
 苗字が違うのになぜ、父親と呼んでいるのかって?
 実は俺、赤ん坊のころ本当の親に捨てられたんだ。
 俺の名前、ユウ・アカツキも本当の名前じゃない。
 母さん…ギルド長のバニー・フルールさんや父さん、ギルドにいる大人組が名前を付けてくれた。
 サクラも俺と同じ親に捨てられたんだ。
 俺とサクラはみんなが考えてくれたこの名前に誇りを持っている。
 …まあ、一人を除いてだが。