闇の鬼~影を纏いし者~

「先輩!! 」


夏子の声にも反応出来ない。
まずい・・・


フワッと体が浮いた瞬間。


ドン!!


衝撃が走る。


「うわ!! ぐっ・・・」


思い切り壁に投げられたようだ。
体中が軋む。


「くっ・・・思い切りやってくれたな。」


『殺してから・・・喰ってやろう・・・』


骨は折れていないな。
動けるか?
体を動かしてみるが、右腕の反応が悪い。



「?! 」


僕の右腕には、まだ影が巻きついていた。
しかも、壁にぶつけられた衝撃で、刀を落としたようだ。


どこにある?
体を起こし見渡す。



・・・遠いな。


刀まで三メートル程。
影が付いた状態で取りに行けるか?



自問自答する僕を嘲笑うかのように『オニ』が近づく。



焦るな。


集中しろ。


呼吸を整えろ。



フッ! と息を吐き、僕は刀に向かい身を翻した。