闇の鬼~影を纏いし者~

「気をつけて。気づいたかもしれないけど、まだ美冬は『オニ』の支配下よ。」


動きが鈍い今なら行ける。
そう思い一歩踏み込んだ瞬間、『オニ』の周りに集まった黒い玉が、形を変え襲いかかってきた。


「咲夜、避けろ!
夏子! 伏せろ! 」


三日月のような形に変化し、クルクルと回転しながら向かってくる。
当たれば致命傷になりかねない。


咲夜は大丈夫だろう。
夏子と浩介は守らなければ。


伏せた夏子の前に立ち、飛んでくる刃を落とす。


「夏子!! あぶねぇ!! 」


横から聞こえた浩介の声。
僕の視界に入らない真横からの攻撃。


間に合わない。


「だから、夏子はぜってぇ、守るって言ってんだよ!! オレを倒してから狙ってみろ!! 」


回転する刃の前に、鞘を構えて浩介が立つ。


「浩介ぇ! 」


「夏子、オレの背中にくっついてろ! 」


夏子が、浩介の背中にしがみついた。
いくつもの刃が浩介を襲う。


「上等だ、ゴラァ!! 」


気迫で刃を落とす。
数が多い。浩介の傷が増え続ける。
このままじゃ浩介がもたない。
どうする?


「美冬。抗って。ほんの少しでいいから。」


浩介の前に飛び出した咲夜。
結界を纏い刃の攻撃を抑えている。
それでも数を増す刃。
咲夜にも刃の傷が刻まれる。