闇の鬼~影を纏いし者~

「わかったわ。援護が必要なら呼んでね。」


そう言って、咲夜は、浩介達の元へ向かった。


「夏子の声が届く範囲で移動か。東側にはあまり入らない方がいいな。壁が崩れて動ける範囲が広がったのは痛いな。」


入り口が狭ければ、影の攻撃も限られる。
広くなってしまった以上、広間の移動も制限されるな。
白虎と朱雀の区画には行けないな。
夏子の声が聞こえなくなる。


「美冬、聞こえてくれ。目を覚ましてくれ。」


僕は、夏子の声が届く事を祈り、四方八方に伸びた影を切り落とた。
『オニ』の攻撃は、手を休めることなく続いている。
影のスピードが上がり始めている。
美冬の力を吸収した事で、攻撃力が上がったのか。


「僕を喰らうと言ったな。やれらものならやってみろ! 」


刀を振り下ろし、広間へ向かっている影を切る。
なるべく注意を引き付けたい。


『オォォォォォォ・・・小賢しい ・・・まとめて喰らってくれる! 』


風圧を乗せて『オニ』が吠えた。
その瞬間、広間は闇に覆われた。


「なんて力だ。本体が確認出来ないぞ。」


僕は、仕方なく東側へ移動した。