闇の鬼~影を纏いし者~

「おいおい、扉は破るものじゃないぞ。」


パキパキという音を背に、僕は、壁から離れた。
壁の亀裂が広がり始めている。
このままだと、広間と東側が繋がるな。


「まずいな。ここで待ちぼうけする訳にも行かないぞ。」


僕に気付いた影が襲ってくる。
影を切りながら、向こう側へ行く方法を考える。


ピシッ!!


音と共に、壁がボロボロと崩れ始めた。


「崩れるか? その隙に広間に行けるか。」


次々と、壁が崩れる中、一人くらい通れそうな隙間が出来た。
向こう側には、『オニ』と美冬が見える。
この隙間から出て、左回りに中央に向かうのが得策だろう。


「オラオラ! こっちだ! やれるもんならやってみろ! 」


浩介が奥で煽っている。
挑発が気に入らないのか、影は浩介達に向かっている。


「浩介、凌いでくれよ。」


呟き、僕は隙間から飛び出した。
玄武の区画を左回りに、九栗の扉から右へ、中央には何もいない。


右を見ると、東側へ向かう黒い塊が見える。


「気づくなよ。」


僕は静かに目を閉じた。
刀に集中する。