「いただきまーす! 毎回だけど、悩む!! どれから食べよ! あっ?! 浩介!! それ私も食べる! 」


食事が賑やかしい。
千影さんは、楽しそうだ。
夏子一人でも騒ぐのに、浩介がプラスされただけで随分変わるな。


今回は、夏子と浩介が話の中心に食事が進んだ。


「お腹一杯!! やっぱり食べすぎちゃう!! 」


「お前・・・・・・太るぞ? 」


「うるさいな! いいの! ここは特別! 」


食べ終わっても賑やかだった。


「いい事よ。たくさん食べて、英気を養って。
先にお風呂に入るでしょう? 上がったら書斎に来てくれるかしら? 」


千影さんは、そう言って部屋に戻って行った。


「何かお話あるんですかね? 荷物開けてお風呂行きましょう! 」


ここに来てから、夏子が先頭を切っているな。咲夜の緊張感を、肌で感じているのかもしれないな。


「そうね。オバァ様を待たせるのも悪いから、長湯は駄目ね。」


咲夜も、夏子も長湯が好きだ。
咲夜に至っては湯が冷めない限り出てこないタイプだという事が判明している。


「残念です! 長風呂大好きなんですけど! 浩介も、長湯しちゃダメだよ!! 」


「わかってるよ。お前うるせぇ。どんだけテンション高いんだよ。」


浩介は、これから起こることを余り知らないからな。
夏子が無理矢理テンションを上げていることがわからないのかもしれない。


「うるさいな! いいの! 先輩達! 早く行きましょう!! 」


怒りながら階段を上がっていく夏子を見ている浩介の目が優しかった。


どんな形でも、好きなものは好きだからしょうがないな。