あれから約二ヶ月が経った。


「まだ暑いな。」


夏の名残が残る九月。
僕達は、木梨村に向かっている。


「咲夜さん、日焼け止めって、どこの使ってます? この夏、焼けてる気配がないですよね? 」


「私? 〇〇よ。持って来てるから、夏子も使ってみる? 」


「本当ですか?! 是非!! 」


咲夜と夏子が、盛り上がっていた。
浩介は、また寝ている。
よく寝るやつだ。


秋にはまだ程遠い気温だ。
高速を抜け、資料館を通り過ぎた。


「もう着くぞ。夏子、浩介を起こしてくれるかい? 」


どこまでも寝ているであろう浩介。
それを賑やかに起こす夏子。
その一部始終を楽しんでいる咲夜。


守りたい。
僕は、守れるだろうか。
この三人を。
守ると誓った。
けれど、不安が胸に押し寄せてくる。
時は、刻一刻と近づいているのに。


そんな僕に気づいたのか、咲夜の視線が僕に移った。


「あら? 考え事? 大丈夫よ。信じてるから。」


咲夜からの言葉が、心に染みる。
信じてる。
その言葉だけで充分だ。


「必ず、みんなで帰ろう。」


「ええ。もちろんよ。」


僕達の想いは変わらない。