どうやっても『オニ』は回避できないのか。


「それで? 僕らはどうすればいい?

君が『オニ』になるのを指を銜えて見ているわけにはいかないな。」


目の前で咲夜が『オニ』になる。
ただ、受け止めるだけでは封印は出来ないだろう。


「鍵は刀よ。封印する方法も刀に記されているって。

ただ、今現在確認出来ないのが悩みの種ね。」


刀に?!
封印の方法が記されているって?!
その時まで、触れることは禁じられている。
咲夜が『オニ』になってから確認することになるのか?


「オバァ様は実際見ていないようだけど、刀に何か彫ってあるらしいの。お爺様がそう言っていたそうよ。」


「何か彫ってある、か。解読していないのか? 内容が少しでも解ればやりやすいのにな。」


記録の中で、あの人、と呼ばれた人だな。
確かに刀を用意して『オニ』との戦いに準備をしていたんだ。
封印の方法を知っていてもおかしくはない。


「それって、咲夜さんが『オニ』になってからじゃないと方法が分からないってことじゃないですか?!

大変!! ものすごく逃げ回りながら解読するってことですよね?

先輩! 走りましょう!! 今の私じゃ逃げ切れません!! 」


問題はそこか?
本当に突っ込みどころが満載だな。


そうなると、九栗の地下で作った地図も役に立つな。
身を潜める場所、封印する場所、それぞれが必要だ。
だが、一緒に決めたら咲夜にも場所がバレるか。
僕と夏子で決める必要があるな。


「ある程度、夏子と相談した方がよさそうだな。刀を貰うタイミング、解読方法、君に話したら、その時にバレてしまうかい? 」


『オニ』になってしまったら、咲夜の意識がどうなるかわからない。


「そうね。意識を保てるように、少し能力を高める事になりそうね。

オバァ様も、『オニ』にはなっていないから、どこまで自分でいられるかは、わからないわね。」