これで、一通り扉は確認できた。
朱雀の扉を除いてだが。


「場所は確認出来たな。上に戻って次郎さんに報告しよう。」


僕達は、九栗の扉から上に戻った。
戻ると同時に、携帯のアラームが鳴った。
それ程時間は経っていないと思っていたが、やはり、時間の感覚がズレるようだな。


「どうだった? 刀はあったかい? 」


戻ると、次郎さんから刀の有無を聞かれた。


「ありましたよ! 西側の扉の奥の、右側の扉の中に! 」


「西側に? なんでまたそんなところに。わからんな。移動するなんて聞いたこともない。」


次郎さんも、初めての事らしく考え込んでいる。


「まあ、刀もあった事だ。千影さんにも報告してやりなさい。」


僕達は、次郎さんにお礼を言い、朱桜の家に戻った。