「白虎側の扉だぞ。ノートに書いておいた方がいいんじゃないか? 夏子が取りに来るんだぞ? 」


「そうですね。ちょっと先輩、懐中電灯お願いします! ノートが見えません! 」


僕は、夏子のノートが書きやすい位置で懐中電灯を照らした。


「でも、どうしてここに移動したのかしらね? 本来なら、鏑木家の祠に取りに行くはずなのに。何か、今までとは違うのかしら? 」


確かにそうだ。
今までの情報からすると、咲夜の誕生日に、夏子が祠に刀を取りに来て、ここの広間で僕が受け取る。こんな感じなんだろう?
それが、刀は既に地下に移動して来ている。
何故、移動したんだ?


「移動した意味はわからないが、刀は無事に見つかったんだ。良しとしよう。広間に戻って、反対側の扉も確認してみよう。」


僕達は、広間に戻り反対側、玄武側の扉を開けた。


「うわ! こっちは広いですね! なんにもない! 」


東側の扉の先は、ただ、広い空間だった。
戦うにはこちら側の方が良さそうだな。
広いに越したことはない。


「特に何かあるわけではなさそうだな。封印するならこっちの方が広くてよさそうだな。」


「そうね。奥にも何もなさそうね。」


咲夜は、奥の方まで歩き確認してきた。