「音が大きくなってきたわね。みんなは聞こえない? 」
咲夜に問われたが、僕らは首を横に振るしかなかった。
洞窟は一本道だった。
暫く進むと突き当りになり、扉が二つ現れた。
「ここにも部屋があるのか? どっちから聞こえる? 」
僕は、咲夜に聞いてみた。
その時。
「聞こえます! キーーーンって甲高い音! 私にも聞こえますよ! 」
なんだって?
夏子にも聞こえるのか?
僕には聞こえないぞ?
「先輩! 本当に聞こえないんですか? 私と、咲夜さんだけ? え?! なんで?! 」
「刀を運ぶのが夏子だからじゃない? 私は、刀と共鳴しているだけだと思うわ。」
なるほど、運び手だからか。
だけど、僕は、刀を持つ者だろ?
そこは反応しないのか?
考えていても仕方ないか。
「どっちだ? 右か? 左か? 」
左右の扉のどちらかに刀があるんだろう。
「右ですかね? 音が強いのは右だと思います。」
「夏子に従いましょう。私には、さっきから音の大きさは変わらないわ。」
僕は、意を決して右の扉を開いた。
中は薄暗く、懐中電灯の光だけが頼りになった。
「あれ! あそこ! 先輩! 右! 右!! 」
夏子には、何か見えたらしい。
懐中電灯で右側を照らすと、奥の壁際に長細いものが確認出来た。
「あれか? 見るだけなら大丈夫だろう? 近くに行ってみよう。」
次郎さんに言われたのは、確認だけしろ。
今は触れない方がいいんだろう。
近くに行くと、それが鞘に収まった刀だと確認できた。
「本物だ! 音も柔らかくなりました! これを、私が運ぶの? どこに? 」
それはこれから確認だな。
刀は見つかった。
時が来るまでに動かないことを祈るしかないな。
「たぶん、広間に運ぶんじゃないかしら?そこで、『オニ』が現れるんでしょうから。オバァ様の記録にも、次郎さん達が準備をしたって書いてあったわ。私が『オニ』になる前に取りに来る感じかしらね? 」
記録通りなら、夏子がここに刀を取りに来るのか。
咲夜に問われたが、僕らは首を横に振るしかなかった。
洞窟は一本道だった。
暫く進むと突き当りになり、扉が二つ現れた。
「ここにも部屋があるのか? どっちから聞こえる? 」
僕は、咲夜に聞いてみた。
その時。
「聞こえます! キーーーンって甲高い音! 私にも聞こえますよ! 」
なんだって?
夏子にも聞こえるのか?
僕には聞こえないぞ?
「先輩! 本当に聞こえないんですか? 私と、咲夜さんだけ? え?! なんで?! 」
「刀を運ぶのが夏子だからじゃない? 私は、刀と共鳴しているだけだと思うわ。」
なるほど、運び手だからか。
だけど、僕は、刀を持つ者だろ?
そこは反応しないのか?
考えていても仕方ないか。
「どっちだ? 右か? 左か? 」
左右の扉のどちらかに刀があるんだろう。
「右ですかね? 音が強いのは右だと思います。」
「夏子に従いましょう。私には、さっきから音の大きさは変わらないわ。」
僕は、意を決して右の扉を開いた。
中は薄暗く、懐中電灯の光だけが頼りになった。
「あれ! あそこ! 先輩! 右! 右!! 」
夏子には、何か見えたらしい。
懐中電灯で右側を照らすと、奥の壁際に長細いものが確認出来た。
「あれか? 見るだけなら大丈夫だろう? 近くに行ってみよう。」
次郎さんに言われたのは、確認だけしろ。
今は触れない方がいいんだろう。
近くに行くと、それが鞘に収まった刀だと確認できた。
「本物だ! 音も柔らかくなりました! これを、私が運ぶの? どこに? 」
それはこれから確認だな。
刀は見つかった。
時が来るまでに動かないことを祈るしかないな。
「たぶん、広間に運ぶんじゃないかしら?そこで、『オニ』が現れるんでしょうから。オバァ様の記録にも、次郎さん達が準備をしたって書いてあったわ。私が『オニ』になる前に取りに来る感じかしらね? 」
記録通りなら、夏子がここに刀を取りに来るのか。

