再度、階段を降り白虎の区画へ向かった。


「ここも何もなさそうですねぇ。全部同じように作ってあるなんて、几帳面な人が設計したんですかね? 」


この形に意味があるのかはわからないが、慣れないと、どの区画にいるかわからなくはなるな。


「どうなのかしらね? 意味があるのかもしれないし、当時の巫女が、何か指示したのかもしれないわね。」


「封印に関係あるのか? まだ手掛かりになるような情報が見つからないな。」


「まずは刀ですね! 探しましょう! 」


わからない事だらけだが、夏子の言う通り、刀を見つけることが先決だ。


白虎の区画も、特に変わったところはなかった。
残りは朱雀か。
咲夜は、嫌な感じがすると言っていたが。


「そこは最後にしましょう。みんなはわからないと思うけど、黒い霏がかかっているのよ。」


「本当ですか?! 怖すぎ! 最後にしましょう! 」


咲夜の言い方からすると、相当良くないな。
できれば最後まで行きたくない。


僕らは、白虎の区画に近い、西の扉を開けることにした。


「どうなっているんだろうな? 次郎さんも、分からないって言っていたな。」


不安を胸に扉を開けてみた。


扉の先に広がったのは洞窟。
他に例えようがない。
こんな場所に、こんなものがあっていいのか?そう思えるほどの広さだ。


「先が見えないな。どうする? 進んでみるか? 」


僕は、他の二人に意見を求めた。


「暗いですね。」


夏子の声に、次郎さんから借りた懐中電灯を思い出した。


「これが役に立つのか。」


言って、僕は懐中電灯を灯した。


「すごいな。どういう、経緯で出来たんだろうな? ずいぶん昔からあったようだな。ここまでは、整備しなかったって事か。」


RPGの世界に迷い込んだような場所だ。
洞窟探検のように簡単なものならよかったのにな。
懐中電灯を照らしなが当たりを見回した。


「何かしら? 反響するような音が聞こえるわ。」


咲夜が、何かに気づいたらしい。
音?
僕には聞こえないぞ。


「音ですか? 」


夏子も聞こえないようだ。
三人とも、静かに時を待った。


「聞こえるわね。もう少し奥に行ってみましょう。」


咲夜に促され、僕らは奥に進んでみた。