「今は3人ですが、もう一人います。来る途中に櫓作りに夢中になってしまって。まだ時間があるので資料館にいた、冴木さんという方に預けてきたんです。」


やはり四人。
揃ってはいるんだな。


「そうだね。まだ大丈夫だよ。

ところで、お嬢ちゃん、えーっと・・・。

夏子ちゃんか。あんたが運び手だ。間違いないよ。翔子さんの血縁なんだろうね。どこかで血がわかれているんだろう。目元がよく似てる。」


夏子も血縁か。
浩介もだな。
巻きこみたくないと思っていたが、選ばれた者が集まった感じだな。
僕と咲夜は最悪『オニ』を封印出来ればいいんだ。
だけど、夏子と浩介は守る。
なにがあっても。


「それって、私と咲夜さん、浩介に先輩、美冬も遠い親戚になるんですか? 」


「いや、血族という形で呼んでいるが、それぞれ違うものだよ。それぞれの血が受け継がれている、という事だ。」


巫女と共に戦った者達が、それぞれの血を残しているが、総称として巫女の一族として纏められているのか。


「ものすごく昔、私の御先祖様と、咲夜さん達の御先祖様が一緒に戦ってたって事ですね。なんかすごい! やっぱり、歴史って面白いですね! 」


夏子の頭の中はポジティブだ。
羨ましいな。
未だに本題に近づいてない事に僕は、焦っているのかもしれない。


「ははははは。明るいな。いい事だよ。

皆ね、悩んで、心が暗くなっちゃうんだ。

夏子ちゃんみたいな子がいたら場が和む。焦る気持ちもどこかへ飛んでいってしまうな。」


次郎さんに笑顔が戻った。


「そうね。どんなに焦っても、時は来るもの。準備をきちんとしましょう。真剣に悩んでも答えは出ないわね。」


咲夜まで絆されている。
もう少し気楽に考えればいいのか?
難しいな。
千影さんが、『オニ』にならなかったって事は、封印の方法があいまいになる。