隣町の図書館は近代化が進んでいた。


閲覧を検索システムで出来ることにはメリットが充分ある。


探したい図書の名前、内容に含まれるもの、といったような、簡単な単語で検索ができる。


僕と、咲夜は2台のパソコンで検索を始めた。


「どうだい? 何かヒットしたかい? 僕の方はダメだな。闇に包まれてオニになるなんて、なかなかレアだと思うんだけどな。」


「そうね・・・。私の方も見つからないわね。でも、面白いものがあるわよ。私の故郷に資料館が出来たみたいなの。ここで何かわかるかもしれないわね。」


そう言って、パソコンの画面を僕の方に向けた。
そこには「ようこそ!木梨村へ!」というタイトルと、イベント開催のお知らせ等が載っていた。


「簡単な作りのホームページだな。とりあえず、この資料館に行けば少しは情報があるかもしれないな。」


僕達は、資料館の場所を印刷して、図書館を後にした。


「そういえば、夏子は何も言ってこないな。」


僕は、携帯のメールを確認してみたが、夏子からは連絡が来ていなかった。


「どうするの? 駄目と言っても来ちゃうわよ? 」


咲夜は、楽しそうに言っている。
あの勢いだ。なんとしてでも付いてくるだろうな。
あまり、巻き込みたくはないんだが・・・。


「そうだな。明日の出発だけ知らせておくか。」


僕は、明日8時には出発する、と、夏子にメールで知らせた。