「咲夜さん! お風呂どこですか? 」


早々と夏子が部屋に入ってきた。


「早いわね。階段を降りたら真っ直ぐよ。一緒に行きましょう。先に行くわね。」


そう言って、咲夜と夏子は部屋を出ていった。


僕は、まだ考えていた。
刀を手に入れて戦うのは僕なんだろう。
だが、浩介や夏子は? 何故、咲夜を含めて4人なんだ?
本の続きを読めば、少しはわかるのだろうか。
バックを開けたまま、暫く考えてしまっていた。


「考えてもわからないか。切り替えるためには、湯船でゆっくりとした方がよさそうだな。
どこかで聞いたな。風呂は命の洗濯だって。」


僕は、独り言のように呟き、着替えをもって下に降りた。


階段を降りると前から咲夜たちが歩いてきた。


「あら。ずいぶん考えていたのね。夏子と待ってたのに。」


「ホントですよ! ゆでダコになっちゃうかと思いました! 」


「あぁ、ごめん。考えが纏まらなくて。そんなに長い間考えていたか? 」


「一時間ですよ! 先輩、考え過ぎると駄目ですよ! ゆっくりしてきて下さい! 私、食堂に行ってデザートいただいてきますね! 」


一時間か。
そんなに時間が立っていたのか。
随分と、長風呂だな。
それにしても、夏子はまだ食べるのか。


「ふふふ。別腹ね。何も考えずにゆっくり湯船に入った方がいいわよ。」


咲夜に言われ、僕は風呂へ向かった。