闇の鬼~影を纏いし者~

「私の姓でもある朱桜。

その朱桜は、何百年も昔から、巫女の血筋として生きてきたの。その力が目覚めるのは、隔世的に受け継がれているのよ。

その力は、大きい時、小さい時、それぞれの時代でちがいがあったの。

私と咲夜は、大きい方の力を持っているわ。ただ、美冬は未知数ね。姉妹で生まれた場合は、力が分散されるか、個々持って生まれるか、どちらかなの。

まだ、美冬の力は覚醒していないようだから、わからないのよ。」


千影さんは、言葉を止め、咲夜を見つめた。


「美冬の力。

たぶん、私より強いかもしれない。ハッキリとわかりませんが、あの子のチカラが目覚めたら、私は勝てないかもしれないって思っています。

ただ、もしも、美冬が『オニ』になってしまったらどうなるのか。」


咲夜は、美冬の力をどこかで感じ取っているんだろう。
それにしても、咲夜より上か。
手強いな。
そうならないよう、出来る限りの手を尽くすしかないな。


「そう。あなたは、そう感じたのね。私は、美冬の事をあまり知らないから確定的な事は言えないわ。それでも、咲夜、あなたの言葉信じているわ。」


二人の間でしかわからない力の感じ方があるんだろう。
空気が張り詰めている。
僕達は、重要な役割を持っているようだ。

そんな事を考えていた時、突然夏子が身を乗り出して話に割り込んだ。


「お話の途中すみません!

あの・・・美冬も『オニ』になっちゃうの? 私、咲夜さんが『オニ』になるのも嫌だけど、美冬がなるのはもっと嫌です! 」


食ってかかるような言い方だが、夏子が美冬を心配する気持ちはわかる。


「あなたは・・・。

そう、夏子さんね。あなたは、咲夜より、美冬に近しいのかもしれないわね。

この二人は、そうならない為にここに来たのよ。」



夏子と美冬は、双子のように仲がいい。
そのせいか、咲夜も僕も、夏子には甘いのかもしれない。
それが、近しいだって?まさか、夏子も遠い血縁なのか?


「近しいって? オバァ様、どういう意味ですか? 」


さっきの勢いはどこへやら、夏子の頭の上にハテナがついた。


「どこかで繋がりがある。という事よ。あなたは、美冬を助けるために、今ここにいるのかもしれないわね。」


「私が?! 咲夜さんじゃなくて、美冬を?! 」


少し複雑な関係がありそうだな。
本題に入る前に、片付けなければならない内容がいくつかありそうだ。