2階に上がる階段の壁にも、いくつかの展示品があった。
「ガラス細工か。綺麗だな。ここの人は、手先が器用なんだな。」
「すばらしいわね。改めて、ゆっくり見に来たいわね。」
咲夜も同じように思っていたようだ。
2階に上がると、大きなホールになっていた。
何人かの職員が、バタバタと動き回っている。
「すみません。お手を止めて。館長さんはどちらにいらっしゃいますか? 」
僕は、目の前に来た男性に聞いてみた。
「ん? 館長かい? 館長なら、あそこにいるよ。」
指差す先を見ると、中年の小柄な男性がいた。
「ありがとうございます。」
僕は一礼して、その男性へと向かった。
「お忙しいところすみません。館長さんで宜しいですか? 」
「ん? はいはい。そうですよ。何かご要件が? 」
小柄だが、存在感のある人だ。
迎えてくれた笑顔が人柄の良さを示している。
「私達、夏休みの課題で、郷土の歴史を調べているんです。受付で聞いたんですが、館長さんは、こちらの生まれなので詳しいんじゃないかって。」
「ああ。確かに、私は生まれも育ちもここですよ。だけど、歴史って言ってもねぇ。小さな村だからね、みんな知っているんじゃないかな? 」
「なんでもいいんです。村に纏わる伝承や、怪談。昔話とかありませんか? 」
館長は、う~ん、と考えている。
伝承や昔話で語り継がれているものでは無いのか?
「そうだなあ、私が知っているのは、昔この村に巫女さんが居た。その巫女さんの血筋が村を守ってきた。だから、巫女さんの家系は大事にしなきゃならん。と、言われたのは覚えているが、その巫女さんの家系がどうなっているかはわからないんだ。」
「わからないって? 血筋が絶えてるんですか? 」
「いやいや、私の母は外の人間でね。婆さんはこの村の人だったんだが、仲が悪くてね。婆さんから話を聞いていればよかったんだが、会うことが少なかったんだよ。申し訳ないねぇ。力になれなくて。」
館長は、本当に申し訳なさそうに頭を下げた。
「いえ、こちらこそ申し訳ありません。知識がないもので、誰に聞くのがいいのか、わからないまま来てしまったので。」
「ん? そういえば。あー・・・・・・。
どこにいたっけな。
えーっと・・・・・・・・・。ちょっと待ってね。」
何か思い出したようで、館長は奥にいる女性のところへ向かっていった。
「なにかしら? 誰か知っている人がいるみたいだけど。」
たいして、時間もかからずに、館長は戻ってきた。
「すみません。わかりました。この建物の右側、入り口出たら左になるのかな、織物工場があるんですよ。そこにねぇ、サトさんって人がいるから、行って聞いてみるといい。うちの婆さんと同じくらいの年齢だから、何か知っているかもしれないよ。」
「本当ですか! ありがとうございます。織物工場ですね。」
「あなた達みたいに、この村に興味を持ってくれる若い人が増えるといいんだけどね。ホームページを作って、資料館の宣伝をしているんだが、なかなか集まらないもんだね。もし、この村がいい所だと思ったら、地元に戻った時に若い人達に伝えて下さい。」
「わかりました。お時間頂きありがとうございました。」
僕達は、館長にお礼を言って織物工場に向かった。
「入り口を出て左か。夏子達が行った方向だな。
それにしても、簡単に情報が掴めるような内容じゃなさそうだな。」
「そうね。巫女の話は語り継がれてるみたいだけど・・・。
それより、あの子達どこにいるのかしら?
」
そんな会話をしていると、僕の携帯からメールの着信音が流れた。
「ガラス細工か。綺麗だな。ここの人は、手先が器用なんだな。」
「すばらしいわね。改めて、ゆっくり見に来たいわね。」
咲夜も同じように思っていたようだ。
2階に上がると、大きなホールになっていた。
何人かの職員が、バタバタと動き回っている。
「すみません。お手を止めて。館長さんはどちらにいらっしゃいますか? 」
僕は、目の前に来た男性に聞いてみた。
「ん? 館長かい? 館長なら、あそこにいるよ。」
指差す先を見ると、中年の小柄な男性がいた。
「ありがとうございます。」
僕は一礼して、その男性へと向かった。
「お忙しいところすみません。館長さんで宜しいですか? 」
「ん? はいはい。そうですよ。何かご要件が? 」
小柄だが、存在感のある人だ。
迎えてくれた笑顔が人柄の良さを示している。
「私達、夏休みの課題で、郷土の歴史を調べているんです。受付で聞いたんですが、館長さんは、こちらの生まれなので詳しいんじゃないかって。」
「ああ。確かに、私は生まれも育ちもここですよ。だけど、歴史って言ってもねぇ。小さな村だからね、みんな知っているんじゃないかな? 」
「なんでもいいんです。村に纏わる伝承や、怪談。昔話とかありませんか? 」
館長は、う~ん、と考えている。
伝承や昔話で語り継がれているものでは無いのか?
「そうだなあ、私が知っているのは、昔この村に巫女さんが居た。その巫女さんの血筋が村を守ってきた。だから、巫女さんの家系は大事にしなきゃならん。と、言われたのは覚えているが、その巫女さんの家系がどうなっているかはわからないんだ。」
「わからないって? 血筋が絶えてるんですか? 」
「いやいや、私の母は外の人間でね。婆さんはこの村の人だったんだが、仲が悪くてね。婆さんから話を聞いていればよかったんだが、会うことが少なかったんだよ。申し訳ないねぇ。力になれなくて。」
館長は、本当に申し訳なさそうに頭を下げた。
「いえ、こちらこそ申し訳ありません。知識がないもので、誰に聞くのがいいのか、わからないまま来てしまったので。」
「ん? そういえば。あー・・・・・・。
どこにいたっけな。
えーっと・・・・・・・・・。ちょっと待ってね。」
何か思い出したようで、館長は奥にいる女性のところへ向かっていった。
「なにかしら? 誰か知っている人がいるみたいだけど。」
たいして、時間もかからずに、館長は戻ってきた。
「すみません。わかりました。この建物の右側、入り口出たら左になるのかな、織物工場があるんですよ。そこにねぇ、サトさんって人がいるから、行って聞いてみるといい。うちの婆さんと同じくらいの年齢だから、何か知っているかもしれないよ。」
「本当ですか! ありがとうございます。織物工場ですね。」
「あなた達みたいに、この村に興味を持ってくれる若い人が増えるといいんだけどね。ホームページを作って、資料館の宣伝をしているんだが、なかなか集まらないもんだね。もし、この村がいい所だと思ったら、地元に戻った時に若い人達に伝えて下さい。」
「わかりました。お時間頂きありがとうございました。」
僕達は、館長にお礼を言って織物工場に向かった。
「入り口を出て左か。夏子達が行った方向だな。
それにしても、簡単に情報が掴めるような内容じゃなさそうだな。」
「そうね。巫女の話は語り継がれてるみたいだけど・・・。
それより、あの子達どこにいるのかしら?
」
そんな会話をしていると、僕の携帯からメールの着信音が流れた。

