闇の鬼~影を纏いし者~

「ごめんな。夏子・・・。


・・・一緒に帰るって約束、守れなくて。



浩介、夏子と美冬頼むよ。」






浩介は、何も言わず、夏子と美冬を抱きしめたまま頷いた。





「美冬・・・・・・。貴方が妹でよかった。



夏子・・・・・・。美冬の事お願いね。



貴方の明るさ、優しさに助けられてばかりだったわ。



いつも、側に居るからね・・・・・・。」






消えゆく中で、伝えたいことを伝えることが出来ただろうか?






「おねぇちゃん!! 」


「先輩!!

咲夜さん!! 」




二人の声が響く。





涙でクシャクシャになってしまっている。






「咲夜・・・。時間が無い。」





僕は、咲夜に、最後の時が近い事を告げた。