闇の鬼~影を纏いし者~

「美冬・・・。夏子・・・。



ごめんね。一緒に帰れないの。



私達は、『オニ』を封印する為だけに存在してたの。




ずっと、何年も・・・。



この時を待ち続けてた。



本当は、生まれるはずのない命だった。



秘めた能力が強すぎて、過去の巫女たちから消されてしまう存在だった。



その命を、朱桜が見つけた。



・・・遠い過去に。



そして・・・・・・咲夜として、生を受けた。



『オニ』を封印する為だけに。」





咲夜の頬に涙が零れる。





封印と共に、僕達の約束は守られた。

役目を終えた僕達は、この世界に留まることは出来ない。

光を帯びる体が透けてきた。





「嘘ですよね? そんな話信じたくない! 封印する為だけに生きてきたなんて! 今まで一緒に居たじゃないですか!! 一緒に帰りましょうよ!! 」





泣きじゃくる夏子を、浩介が引き止める。