「えっ? どういう事ですか? 待って待って! それって、封印の方法次第で咲夜さんが『オニ』にならないとダメってことですか? 」


夏子は不安を隠せない様子で聞いてきた。


「そうね。それも想定しておかなければいけないと思うわ。」


咲夜の心は決まっている。
『オニ』になることは想定内。
全てのシュミレーションをしている。


それでも、そうならない事を、そうならない方法を僕は探している。


「咲夜さん、覚悟決めてるんですね。なんていうか、気迫っていうか、雰囲気がすごくあります。大丈夫ですよ! 先輩もいるし! 私も、少しでも力になれるように頑張りますね! 」


夏子くらいポジティブになれれば気が楽だろうな。


「ありがと。でも、無茶や無理はしないでほしいの。何かあったら必ず連絡して。いい? 夏子。」


「はい! もちろんです! 危ない事は浩介にまかせますから! 」


「おいおい。それじゃ浩介が可哀想じゃないか。2人とも危険な事はしないでくれよ。」


巻き込みたくないんだ。
夏子も浩介も。
なるべく本題に近づかないでいて欲しいな。