闇の鬼~影を纏いし者~

「僕が呼んだことで戻れた? どういう事だい? 」




呼ばなかったら戻れなかったのか?



「空間の歪みが酷くて、何処にいるかわからなかったのよ。場所がわからないまま歪みから出てしまったら、ここには戻れないと思ったの。

そんな時に、貴方の声が聞こえた。声の場所に戻ればいいんだって。

この空間の近くに来たら、ほかの声も聞こえたの。
一人預かるって。浩介君の事よ。
今まで、『オニ』と戦ってきた巫女達が、力を貸してくれたの。


私の力も、全て解き放たれた。
美冬が取り込まれない限り、負けない。

・・・それに、貴方がいるもの。」



咲夜は、僕の方を見て微笑み、前を向いた。



いつもの凛とした横顔。



だけど、いつもより強さを感じる。



瞳の奥で、信じてると伝えてきた。



何よりも心強い。



「左はもう使えない。回復したと言っても、あと一回が限界だ。あの腕、止められるか? 」



僕の、今の状態を伝える。




「腕と影を止めればいいのね。私も、使える力が残り少ないわ。ラストチャンスよ。」




さっき、僕達に襲いかかってきた腕を一瞬で消し去った力。



相当の負担があるんだろう。


体に残る傷跡も痛々しい。