闇の鬼~影を纏いし者~

あの腕を、なんとか止めないと駄目だ。



「ちょっと! 狡いわよ!! 後ろからそんなに出して、影も使って、こっちは生身なんだから!! 少しは遠慮しなさいよ!! 」




僕の後ろで、夏子が突然怒り出した。



いや、そんな事を言って聞く相手じゃないだろう。



「夏子。あんまり煽るな。聞き分けがいい奴じゃないぞ。」



「わかってます! でも、このままじゃ先輩が! 」



夏子の気持ちが伝わってくる。



僕を思っての言葉。



少しでも、時間が稼げれば回復出来る。



それをわかっているんだ。



「美冬!! 聞こえてるんでしょ? 答えてよ!!

咲夜さんも、浩介も・・・先輩だって!!

やだよ! こんなの!! ねぇ!! 美冬!!! 」



夏子の、悲痛な叫びが胸に刺さる。



こんな思いをさせてしまった。



悲しい、辛い思いを。



だけど、それを笑って話せるくらい、夏子と美冬が楽しく過ごせる時間を取り戻す!!



「やってやるさ。腕がもげようが、足がもげようが構わない。僕が、お前を止める!! 」



大分回復した。



もう一度、踏み込める。



しかし、どうすればいい。



腕が邪魔だ。