闇の鬼~影を纏いし者~

『あと・・・一人・・・隠れても・・・無駄だ・・・』



『オニ』は振り向き、玄武の区画を見据える。




「?! 」



気付いてたのか。



僕一人に攻撃を絞り、僕を殺してから夏子を殺すつもりだったのか。



まずい・・・夏子、逃げろ。



声を出し、止めることが出来ない。



その思いと裏腹に・・・




「先輩!! ・・・?! 」



夏子の声だ。



だめだ、出てくるな。



「先輩!! なんで?! 」



走ってくる足音が近づく。



「酷い・・・こんな・・・」



背後に夏子の気配を感じながら、僕は『オニ』から目をそらすことが出来なかった。



「夏子・・・そこから動くなよ。出てきてしまったのは仕方ない。」