闇の鬼~影を纏いし者~

間に合え!


心で叫ながら、刀に手を伸ばす。


カチャ!



間に合った。
なんとか左手で刀を掴む。


振り向きざまに刀を振り抜く。
一瞬『オニ』の動きが止まる。


その間に態勢を立て直す。
・・・右腕が重い。


刀を右腕に当てると影は消えた。
音がしない分、厄介だな。
捕まれば、次はないな。


影を引き付けてから飛び込む方法がない。
『オニ』から影が出ている以上、近づいても捕まるだけだ。


もう一本刀があれは防げるのにな。


ん?
鞘は有効か?



『小癪な・・・若造が・・・許さん・・・・・・』



「諦めが悪くてね。まだ、負けたわじゃない! 」



鞘は浩介が持っていたはずだ。
あの時、どうした?


手を離したか?
いや、持ったまま飲み込まれたな。



『オニ』から出る闇が、瞬く間に広がる。


視界を塞がれる前に動かなければ。


「ふぅ・・・。振り出しに戻る・・・か。」



咲夜達が飛ばされる前の状況に戻ってしまった。



もう一度、刀の力で闇を吹き飛ばす。
その瞬間に切り込む。


他に方法はない。