詳しくか・・・。
どこまで話せばいいのか。
僕は、隣に座っている咲夜をチラッと見た。


「そうね。一言で『オニ』と言っても色々あるわね。例えば、夏子だったら、どんな『オニ』を想像する? 」


咲夜が質問した。


「んー。そうですねぇ。赤鬼とか青鬼とか? 桃太郎? なまはげも、鬼ですかね? 」


桃太郎は違うだろ。
まあ、普通に考えればそのレベルだよな。


「そうね。私も、その程度の想像しかでなかったの。でもね、私達が探してる『オニ』は違うのよ。」


闇の中から現れる『オニ』。
想像の域を超える。


「違うって? どんな感じなんですか?」


夏子が珍しく神妙な顔で聞いてきた。


「夢を見たのよ。不思議な。でも、近い未来に起こることを。」


夏子は、咲夜が特殊な能力があることを知らない。
言うべきかは咲夜次第だ。


少し間を置いて、咲夜が話し始めた。


「私の家系はね、代々不思議な能力を持って生まれるの。隔世的になんだけどね。今はオバァ様と私達。話すと長くなるわね。」


ふう、とため息をついて話を止めた。


「大丈夫です! 飽きませんから! すごく大事な事だと思うんです。ちゃんと聞かなきゃって。」


珍しく真剣な顔をしている。
やはり、夏子も関係するのか?


「到着までは時間がある。咲夜がいいなら、かまわないが。」


僕は、咲夜にまかせようと思った。
夏子の反応によっては止めるべきか。


「そう。そうね。わからないことが多いけど、私達がわかっている事を話すわね。」


そう言って、咲夜は今までの話を始めた。