悪役秘書は、シンデレラの夢を見る!?


「高永室長はさ、入社した時から副社長の息子ってオーラ出さすに勤勉で、それでいて仕事は出来るのに優しいし、王子様って感じだったんだよね」

「そーそー。だから女子社員は今の森元さんみたいに浮かれてたんだけど、一年遅れて入社してきた英田秘書が、あっさりと高永室長の隣に現れて、全く隙が無くなった感じだったの」

「だから、今、高永室長の隣でへなちょこだけど頑張り屋の森元さんが指導されてるのを見ると、こう、応援したくなるよね」

「それは、私よりも森元さんが巧に御似合いだって言いたいのかな?」

ふらりと私が口を挟んだので、女子社員が一瞬で化石化する。
途端に会話が途切れ、緊迫した雰囲気に包まれた。

「私は別に自分に恥じることは何一つしてないからお好きに言って構わないけれど、そこの森元さんを褒めるのは止めて」

私が睨みつけると、分かりやすいぐらい森元さんは怯えて顔を青ざめる。

「貴方、巧に聞かずに勝手に書類を用意したでしょ? もし気づくのが遅かったら、あの契約は見送られてたかもしれない。貴方のつまらないミスで巧が責任を負わないといけないなんて、本当に許せない」