契約の会議は、それからすぐに立花さんが何事もなかったように書類を用意し、滞りなく進むことが出来た。
キースは最初からうちの会社のマネジメントの高さと、社員の優秀さから契約をするのを決めていたらしい。
他の会社とも協議してるのかと焦ったのは、全く無駄な心配だったようだ。
「じゃあ、タクシーが10分で到着しますので」
「とても楽しみです。わざわざすいません。また後で」
無事に契約を結んだ副社長が、にこやかに笑う。
キースが色々と契約書についてじっくり考え質問していたので、時間が淡々と過ぎて行き、予定よりも時間がかかった。
でもこれから何十年と続く大きな企画なのだから、数時間ぐらいどうってことない。
「……観山荘の人数に、夕方戻られる社長の数は入ってないよね」
「はい。でも、室長は入ってます。が、社長は帰ったら室長に迎えに来てほしかったはずです」
「それは、色々と調整できそうだから巧と相談してくれる? 私はちょっと言ってくるから」
「宜しくお願い致します!」
立花さんのいつも冷静な顔が、きゅっと眉を吊り上げた。



