秘書室に入ると、今日もまた違う花が飾られていた。
いつも私より先に出勤する立花さんには本当に色々と助けられている気がする。
「おはよう。今日はキースの会社と契約進めていくから通訳頑張ろうね」
「おはようございます。了解です。書類の準備をしておきます」
席を立つ立花さんと入れ替わりでパソコンを起動し、デスクに座る。
今週一週間の予定表を確認する。社長は今日の夕方に戻ってくる。
それまでにさっさと終わらせて口を挟ませないようにしよう。
キースとは昨日なんだかんだと色々言いあったが仕事上では支障はない。
「で、社長の代打は巧になってるじゃない。ちょっとアレ、呼んできてよ」
出勤しているのは確認したが、今日は色々と会いに行ける根性が私にはない。
「私は書類の用意がありますので」
「じゃあ、私が代わりにするから――」
言い終わらない内に、立花さんがじとっと私を見る。
「そんなことしたら、良い噂の種ですけど」
「……く」
さっきの社員たちに大見得を切った手前、私ではなく立花さんが迎えに行くと鼻で笑われるかもしれない。
別にあの森元とか言う社員を意識してるんじゃないのに、誤解されたら腹だ立つ。



