「えっ」
「頭は良さそうだったケド、仕事一筋って感じ。こんなにシノが寂しがってるのに気づいていない男は王子様にはなれないよ」
私の番だよ、とダーツを促され、私はキースを睨みつけた。
「それでいいの。今は仕事に集中しなきゃいけない大事な時期だもの。私に現を抜かす方が嫌だ」
めいいっぱい力を込めて投げたダーツは、命中した。
例え中心から反れても、点数にはなる。
「シノ、それが自分ルール。自分で可哀相な自分の首を更に苦しめてる」
「違うわよ。私がこんなに手本になるように真面目に生きてるんだから、巧にもそうであってほしいだけ!」
「それ、ちゃんと彼に届いてる?」
ふわりと、わざと優しくダーツを投げた。
すると、中央に当たったのに、画面は光らず点数にもならない。
「これは機械だから、当たっただけじゃダメなんですよ。衝撃を与えなきゃ。恋愛もそうなんじゃないかな? 強く心を揺さぶらなきゃ。隣で飾りみたいに笑ってるだけじゃ奪われちゃうよ」
「奪われる? 私から誰が奪えるの?」



