「ダーツはこのボタンを押してからスタートしないと、点数が加算されない。あと交互の投げるんですよ」
「へえー。そうなんだ」
「それなのに知らないで続けて投げようとする君を見て、浸け入る隙を見つけてしまいました」
隣に立つキースが、私の視線まで身体を屈める。
「君は、恋愛にもマイルールを課している。それで自分の首を絞めている」
「あ、えーっと、ちょっと顔が近いかなあ」
しどろもどろになる自分が格好悪くて、自分ではないようで恥ずかしかった。
「悪いのはシノじゃない。こんなに不器用なシノに恋愛はルールが無いって教えない相手が悪い」
驚いてキースの顔を見上げると、優しく笑っているのになんだが目が怖い。
ダーツを持つ手が、酷く不気味に感じられた。
「シノみたいな素敵な女性をお姫様にできない男なんて、止めてしないなよ」



