巧の父親である副社長に何を言われるのか。
そもそも巧は私をどう思っているのか。
今さらながらに何も考えていなかったのは私の方だと気づかされる。
巧から好きだという気持ちも、素振りも感じたことが無い。
そもそも、ちょっとでも私に女として魅力を感じていたら、一緒のベッドに眠って何もしないなんてありえるのだろうか。
この会社を継ぐ気は有るみたいだし、継ぐために私と結婚を決意とかされるのは……なんか嫌だな。
「英田さん? どうされました?」
ぼーっとしている私に、立花さんが心配そうに顔を覗いてくる。
「大丈夫。仕事終わらせて、気が一瞬緩んだの」
「そうです……か」
まだ半分納得してなさそうな顔だったけれど、彼女も提示までの自分の仕事に戻る。
どうしよう。
今さら誰にも相談できない。
少なくても、ウチの会社の社員なら私と巧は婚約してるって思ってる。
私も今まで直接は言ってこなかったけど匂わせてきた。
だから誰にも言えない。
自分ひとりでぐるぐるするなんて、なんだか情けない。
それでも一番早く解決させるために巧に聞くことだけは、なんだか躊躇われた。



