悪役秘書は、シンデレラの夢を見る!?


「キースとランチはどうだった?」
「ああ、すげえ流暢に英語で話すから驚いた」

「……? キースが英語を話すのは当たり前じゃない」

何を言っているのかと首を傾げると、巧が眉を顰める。

「あんなにお前の前では日本語で話しているのに、わざと俺の英語力を試したんだ。食えない奴だ」

それでさっきは不機嫌だったのか。

「でも仕事をする上で、相手の能力が高いほど信頼できるんじゃない? それに巧なら英語ぐらい余裕でしょ」

「お前って、本当あれだよな」

はああ、っと大袈裟にため息を吐かれ、冷たく突き放された気分だ。
偽りとはいえ、あの子には甘い笑顔だったのに。

「あれって何?」

「……そのままで今はいいってこと」

益々意味がわからない。不機嫌そうなままだし。

「それより、もう二度とキースにあの小娘ちゃん近づけないでよ。恥ずかしい」
「今日はタイミング的に仕方なかったんだ」

まあ、巧ならばあの子を放置できないかもしれない。
でも私なら平気で置いていきそうだけどね。

「あまり連れ回すと、女子社員の噂のネタにされちゃうんだから」