「まあ、いいじゃないか。元気があって花がある」
「栄子ばあ様は元気だったかな?」
「副社長!」
女の子が欲しかった副社長が、森元さんを孫を見る様な甘やかしの状態でため息が出た。
「頭痛がする」
「秘書室のロッカーに痛み止めあります」
「貰う」
私がしっかりしないと、ダメだ。
「あ、高永室長!」
森元さんがぱあっと花を撒き散らしながら、巧を見て駆けよっていく。
その姿は、マルチーズとかポメラニアンとかチワワみたい。
甘え上手で仕事もろくに出来なくて、その上空気も読めない。
なのに、巧みたいな完璧な人にどうして恐縮もせずに駆けよることができるの。
もう少し、自分の立場を知る必要があるんじゃないだろうか。
巧は、そこらへんの女では釣り合わないほどの極上の男なのに。
「バタバタ走らない方が良い。転げるよ」
それなのに、誰にでも優しい巧は、酷いと思う。



