「タウンゼント氏にどうしても今朝の無礼を謝罪したいって聞かなくて」
「だからって」
「謝罪はしっかり受け取りましたよ。原石だと良いですね」
「す、すいません」
恐縮しているが、自分が何をしたのか全く分かっていない。
社の大事な取引相手に、アポなしで謝罪に特攻したのだ。
優しいキースだから良かったものの、相手の機嫌を損ねる場合もある。
「……貴方、本当に迷惑なことしかしないのね。これ以上この件にはもうでしゃばってこないで」
「申し訳ありません!」
「二度と勝手な行動はしないで」
謝られても、溜飲は下がらない。
この子の、考えも無い突発的な行動力には嘆息する。
「キース、会議室に計画書とパンフレットを用意したの。昔話に花を咲かせつつビジネスもちゃっちゃっ話し合いましょう」
「そうですね。私は自分から宝石だと主張する女性の方が美しく感じます」
「キース?」
「そちらの彼は、完成された美しさに目もいかないほど、原石かもしれない石を磨いている」



