悪役秘書は、シンデレラの夢を見る!?


「私も。忙しくてなかなかメールの返事が出来なくて、ずっと悪いなって思ってたの。とっても嬉しいけど、……どうして巧と一緒なの?」

森元さんは眼中にもないことにして、敢えて巧だけを言ってみた。

「私はずっと彼を呼びだしてたんですよ。なのに、そこの隣の森元さんが切ったり、電話をかけ直さなかったり、メールを見なかったり、もしかしたら連絡を無視されてたのかな?」

キースが意味ありげに視線を巧に飛ばすが、巧は営業用の笑顔を貼りつけていた。

「いえ。仕事ならお会いしたかったんですが、『シノの婚約者と会いたい』と言われたら、優先順位が下がるので」

「こ、婚約者……」

「シノのお父様である社長がそう言ってました。婚約者がいたから私のアプローチが全部不発に終わったんだなって理解したので、私より良い男なのか拝見したくて、ね」

……なるほど。
だからキースが今日は巧に連絡してあの小娘が取ったってことか。

「巧。キースは仕事で来てるの。まだ研修も終わっていない子を同行させたメリットは何?」

この空間に、全くお呼びでもない彼女が緊張しながらもいることに不満を感じていた。