悪役秘書は、シンデレラの夢を見る!?



「……は?」
そしてすぐにもう一台のタクシーが社の前で止まると、キースが降りてきた。

チョコレート色の深い茶の髪が柔らかく揺れる。
猫っ毛で、ふわふわと優しく髪を揺らして、目を細めて笑っている。
身長は巧より少し高いぐらい。一般人が隣に並ぶと腰の位置が違い過ぎて可哀相になる。
猫みたいなアーモンドアイ。瞳も薄い茶色だ。
甘く笑うその笑顔は、英国の貴族の血を継ぐからか気品もある。

大らかで、フェミニストで、誰もが振り返る様なイケメン。
それなのに、まるで二人と並ぶと子どもみたいなちっちゃくて貧相なあの子はいったいどういうつもりだろうか。

「キース!」

急いで会社から飛び出して駆けよると、優しく笑っていた笑顔を蕩けさせた。


「シノ。お久しぶり。会いたかった」

留学していた時よりも流暢な日本語に、私も思わず感動して目が潤みそうになった。

きっと人一倍努力したに違いない。