悪役秘書は、シンデレラの夢を見る!?



居酒屋で、定番の三種のチーズ盛り合わせと白ワイン、赤ワインを飲みながら、二人で何故だか声を出して笑ってしまった。
馬鹿みたいに遠回りした気がするけれど、急がば回れ。
私達は今、全力でゴールへと向かっている。

「正直に、俺は志野と一緒にオーストラリアへ行くって伝えた」
「うちの親、どんな反応したの?」
「副社長と二人で喜びつつも複雑な顔をしているのが面白かった」
「ざまあみろ、だね」

二人で酔ってもいないのに、何か吹っ切れたように笑った。
「お前、仕事は辞めないんだろ」
「当然。私が辞めたら立花さんが可哀相だもん」
「そうだろうな。俺も仕事中のお前好きだし」
「……」

本人を前によくもまあ好きだとか簡単に言ってのけたな。
別に、嫌ではないけど。

「で、このあとなんだけど」

「うん」

「俺のマンション来るよな?」

その一言の破壊力は凄まじかった。
余裕ぶって頷いた癖に、その後は何を食べても味がしなくて、心臓に全てを持って行かれるような、全身を甘く痺れさせる魔法の言葉だった。