仕事終わりに、噂がすでに社内で回っているのは分かっていたので開き直って100本だけ持って帰ることにした。
接待だと開き直って社長と副社長は飲み歩くらしいが同行はせず、二人で薔薇の花束に注目されながらも颯爽と歩く。
居酒屋まで向かって歩く私達は道行く人たちに振り替えられても気にしかなった。
「本当にいつもの居酒屋でいいのか? お前が行きたがってたレストラン行こうって思ってたんだが」
「良いの。今から嫌ってほどお金使うんだから節約節約」
「……居酒屋に行くのに節約もねえだろうが」
ククっと笑った後、観念したように頭を掻く巧は、私の隣に寄り添って歩いてくれる。
森元さんにはいつまでも悪役に映って貰って構わない。
隣の巧に理解さえされていたら、それだけで私は幸せなのだから。



