大勢を引きつれてキースにお願いしたら、快く引き受けてくれた。
ので、私達は急遽ダーツバー『セカンド・ニューヨーク』へ向かっていた。
「会社の人たちとは上手くいったんですね」
キースがそう嬉しそうに聞いてきたので、ちらりと森元さんを見てから首を振った。
「まさか」
「え、でも彼女たちを呼んでるじゃないですか」
「上下関係を見せつけるの」
「お前、本当に素直じゃねえよな」
くしゃっと髪を撫でられて、思わず巧を見上げた。
が、いつもオールバックで決まってる巧の髪も、家に居る時みたいに下ろされていて戸惑った。
ちょっと幼く見えるその顔は、私だけが知っていたかったのに。
ペンキでワザと汚れたように書かれた文字の看板を通り向けると、中はぐっと大人ッぽい雰囲気に包まれたバーが広がっている。
その看板の前で庶務課の女子社員二人が躊躇したが、キースのエスコートで入っていく。
「お前、こんな怪しげな看板の店に男と二人でよく入れたな」
「何よ」
「タウンゼント氏を信用し過ぎだ」
「友人だから当たり前でしょ。それにこの中は大人っぽいバーになってるの」



