悪役秘書は、シンデレラの夢を見る!?


「ば、場違いすぎます!」
「大丈夫よ。ただし三人ともネイティブな英語でしか会話しないから」
「酷いです!」
「悪役過ぎだろ」

流石の巧も呆れていたけれど、そのまま森元さんを秘書室から連れだし三人でロビーまで歩いて行く。
颯爽と歩く巧とその横の私と、真ん中に縮こまっている森元さんを見て、社員達が二度見していた。
「連行されてる子、可愛そうじゃね?」
「ほら、例のコネ入社の秘書課の」
そんな噂話にも慌てだす森元さんは私達を見た。

「まあ、慣れよ」
「経験の差だから、気にしなくて良い」

「頼もしいです」
そう震えながら言った彼女は、カチンコチンに右足と右手を同時に出しつつ歩き出した。


「立花さんも竜崎も呼びましょうか。仲間が必要なら、庶務課の人たちもぜひ」
「え、良いんですか?」
「キースとの飲み会は接待じゃなくて友人としてだから」

ロビーで待っていたキースの周りには、召使いの様に庶務課の女子社員が群がっていた。
本当は、取引先の重役だと怒鳴ってやりたかったが、大目に見ておくことにした。