おばさんに紙袋を渡され、エレベーターに乗り込んだ。
病院の、少し温くて薬の匂いがするこの空間は居心地が悪い。
でも暁は、私達と遊ぶ以外はほぼこの匂いが包み込む空間で過ごしていたはずだ。
302号室は、ナースステーションのすぐ隣の一人部屋だった。
一日とはいえ、贅沢過ぎる。
コンコンとノックすると、『充電器持って来てくれた?』と暁の声が聞こえて、緊張が走る。
やっぱりおばさんと一緒に入れば良かった。
昨日、颯太を優先したことを絶対に怒ってくるはずだ。
「おーい、充電器ってば」
「わっ」
ドアも開けずに、挫けそうになっていたら、目の前のドアがスライドされた。



