「今日は一日大事を取って入院することになったから、着替えを取りに戻ってたのよ」
「入院……?」
「あ。全然問題は無いのよ。ちょっと貧血気味だから点滴をするだけ。私が家で看病するのが怖くて頼み込んだの」
「そうなんだ」
田舎の古い病院だから、暁の心臓の病気のはよく知っている。おばさんのケアもあるのかもしれない。
「あの子たち、双子でしょ? 完全に大きくなる前にお腹を切りますよって言われて、毎日毎日神社でお参りしたわ。生まれた時も二人でやっと一人分の体重しかなかったの。だから余計に過保護になっちゃって」
クスクスとおばさんは吹っ切れたように笑う。
だから私も一緒に笑った。
「おばさんのおかげで、私は大切な幼馴染に出会えたんだよ。ブスッて言うし、毒は吐くし、ムカつくことも多いけど」
一緒に居てくれて、嬉しいことの方が多かった。
「おばさんに似て、暁は超過保護になってるよ」
「それは困ったわ。せっかく見た目は良いのに」
クスクスと、暁の悪口で盛り上げって病院へ辿りついた。
颯太の名前を出したらいけないのは、今の私でも空気が読めたので分かっていた。
「手続きしてくるから、先に着替え届けて貰える? 302号室なの」



