青春メトロノーム



「そうですね。足を怪我してからは本を読む機会が増えたから好きですよ」

「そう。だから昼休みは図書室へ行くの?」

美貴先生の優しい言葉に、私は力なく首を振る。


「ううん。学校で人の気配がしない場所は図書室だけだから。人がいると、颯太は来てくれないの」

「……斎木さん」

「先生は私を内向的って言いますが、私が颯太を忘れたら、誰が颯太を見つけてくれるの?」

私の言葉に先生が目を見開いた。
良い先生だなって思ってたのに、先生も私が壊れてると思ってたのだろうか。

「色んな人と出会いなさいって言うけど、色んな人と触れっている内に、大切な人との時間が短くなるの。そんなの私は嫌です。二度と部活なんて薦めないでください」

「斎木さんっ」

「頭がおかしいので、早退します」