青春メトロノーム


「美貴先生!」

ホームルームが終わって先生の元へ急いだ。

「あの、暁は」
「ああ、定期健診だ」

即答された内容に、私の身体からへなへなと力が抜けた。

「定期健診……」
「大手術のあとだからね。しばらく通院しなきゃいけないらしい。昨日行けなかったから、どうしても今日行かないといけないらしくて」

昨日行けなかった……。
もしや暁は、私の事を心配して探していたから、病院へ行けなかったのかもしれない。

「それより、斎木さん。部活の話は考えてくれたの?」

「え、っと」

「殻に篭ってても、覗いてくれる人なんて少ないのよ。貴方は周りに恵まれてるのだから、内向的な部分を頑張って克服しないと。進路指導室で話聞くわよ?」

一番痛いところを、美貴先生はガンガンと抉ってくる。
けれど不思議と、傷は増えなかった。
だから私も気丈に首を横に振った。

「颯太や暁のお母さんに、またピアノを習いたいって思ってるので、部活は考えていません」
「……そう。図書委員は頑張ってるようだけど、本は好き?」