「どういう意味ですか?」 「口止めされてるから言えない。離婚されたくないしね」 ふっと寂しげに瞳を閉じたけれど、すぐにいつものおじさんに戻った。 「ただ、ここで分岐を間違えたらいけない。さっきのメトロノームみたいに、行ったり来たりできない、決めるしかできないんだよ」 「私の話?」 抽象的でぼんやりし過ぎの言葉に首を傾げてしまう。