青春メトロノーム



「プリンで喧嘩したんだよ」
「あんたに聞いてないわよ。百花、大丈夫?」
「俺がさ、百花の分のプリン食べちゃってさ」
「だから、あんたみたいにガサツな不良には聞いてないから! さっさと向こうのガラの悪いお友達のところへ行きなさいよ!」

優菜は、暁との態度をあからさまに変えて、今にも塩を投げつける勢いで颯太を追い払った。

「優菜、颯太は」
「いいのいいの。部活ばっかで、全然、百花のこと放置しちゃって。あんな部活馬鹿、絶対に百花を大切にしない!」

断言できるっと優菜は颯太を睨みつける。
けど私は首を振った。

「颯太は私の大切な幼馴染だよ。ずっと……ずっと、一緒にいるって思ってたもん」

じわっと涙が込み上げてきた。
もう駄目だ。体中から水分を取り出さないと、全部涙に変わってしまう。

だって、颯太は生きていたのに暁を失った。
私は、両方を失う経験なんてしたくなかった。


颯太は、男友達数人と運動場でサッカーを始めてしまった。
制服姿でふざけているとはいえ、楽しそうに笑っている。