暁に今度こそちゃんと謝らなきゃいけないなって、放課後……颯汰と一緒に帰りながら暁の元へ向かう。
複雑な気分だった。
別に颯太は彼氏じゃないのに、暁の元へ行くのが変な気になる。
どうしていいのか私でさえ分からず。
「やっぱ俺、走り込んでから帰るわ」

もう数歩で家に着くって時に、颯太はそう言うと私の返事も待たずに踵を返して走り去った。

ずるい。
私の自分勝手な行動や思考で、颯太を動かしてしまう。

私はとてもずるくて嫌なやつだ。

「百花ちゃんっ」

家の前で、颯太が走り去るのを豆粒になるまで眺めていたら、擦りガラスの向こうからおばさんの声がした。