青春メトロノーム



「……じゃあ俺はもう何も喋らないけど、消さなくてくれてサンキュ」
「ふふふ」

言葉は要らないし、もう颯太が誰にも見えているなんて気づかれないようにする。
それでこのまま颯太は消えない。
暁にばれたら虚しいとか頭がおかしいとか言われそうだけど、私の中で答えが出るまでは颯太を失いたくなかった。
ご飯もそっちのけでクラスマッチのタオルの準備を始めていたら、携帯が震えた。


「うわ、誰だろう」

『着信:笹井 暁』

液晶に映るその名前に愕然としてしまった。
暁の名前。
電話に出てそうすればいいのか分からずに、だた留守番になるまで画面から目を反らせなかった。

画面から名前が消えてホッとした時、次にお兄ちゃんの名前が出た。

「もしもし……」

『さっさと校門に来い。図書室からなら2分ダッシュだ』

卒業生である兄に時間まで把握されて仕方なしに走った。

すると、オンボロ車が校門に止まっていて、ドッと疲れが出てしまった。